マイクロ法人での法務の話

今回もテック関係ではないトピックとなりますが、法務についてです。

フリーランスや小規模法人であったとしても、業務委託や請負などの場合、契約が発生します。受注する場合の契約については相手が普段からコミュニケーションをとっている場合であったり、ITについてリテラシーがある場合は問題になることは少ないのかもしれません。

しかし多段階の受発注の様な案件であったり、新規で取引するお客様の場合は、後のトラブルを防ぐためにもきちんと精査しておく必要があるかと思います。また、外部の人に手伝ってもらうなどこちらが発注元となる場合も、新規で依頼する様な場合については、支払い条件や業務範囲の定義など考慮する必要はあると思います。

トラブルとなる事例としては、

  • 要件通りにシステムを作ったが実務で利用した時に問題が起きた
  • 要件通りにアプリを作ったがAppleレビューで予期できない理由でrejectされた、解決するには大きな改修が必要となる
  • 病気や災害などの理由で相手方に損害を与えることとなった
  • 手伝ってもらうはずの人と連絡がつかなくなった

という様なことが考えられます。

やはり、こういったトラブルを未然に防ぐ「予防法務」であったり、トラブル時の「紛争解決」については弁護士さんといった専門家に依頼することになると思います。ただ、専門家に顧問を依頼するとなると月額にそれなりの報酬を支払う必要があり、多くの受発注が発生しない場合や、起業直後のあまり余裕のない時は顧問を担当していただくのは現実的でないかもしれません。

そういった場合は、

  • 普段から相談できそうな専門家と都度依頼する様にお願いしておき、契約書のチェックは必ずお願いする
  • 特別トラブルになった場合は、別にお支払いして相談に乗っていただく

形が現実的ではないかと思います。都度のお願いとなると1回の額が高くなってしまうのですが、回数が少ないのであれば、1年を通しての顧問料と比べると安くなる機会が多いと思います。

専門家も、業界のことがある程度わかる弁護士さんを探す様にすることが必要だと思います。弊社の場合はWebやITの業界ですが、多段階となる受注形態や専門用語、業界の事情がわかる人でないとどこに契約面でのリスクがあるかが専門家であっても分からない場合もある様です。弊社であればWebやIT業界の訴訟や紛争解決を行った経験のある専門家がベストだと思います。

Lichtwork(リヒトワーク)では契約書類は何某かの形で、専門家の方に依頼し、契約書のリスク分析を行う様にしています。気心が知れた中で改めて契約というのは堅苦しい気もするのですが、認識の齟齬で関係性が崩れたり、最悪訴訟といった状況になるのはもったいない話です。将来においても良い関係でいられる様、双方納得した形での書面の取り交わしは必要かと思います。

自分の場合は、特に受注の場合においては、一通りは契約書を読んだ上で

  • 賠償の上限と範囲
  • 支払い条件
  • 守秘義務範囲

については専門家に特に確認してもらうことをしています。

参考になれば幸いです。